賃貸物件の契約までの流れを解説。外国人のための家探し

外国人が日本で賃貸物件を探す場合には、事前に日本ならではの賃貸契約の特徴や習慣を理解しておくことが大切です。賃貸の契約に関する専門用語や契約までの流れなどを、しっかり把握しておきましょう。そこで今回は、外国人が日本で賃貸物件を契約したいときに知っておきたい、契約までの流れや初期費用、必要書類、賃貸物件の探し方まで徹底解説します。

基本的な契約までの流れ

 

日本で初めて賃貸物件を契約する外国人が知っておくべき、基本的な契約までの流れを説明します。

 

物件を探す

まずはインターネットなどで自分が住みたい部屋やアパートの条件が考えましょう。具体的には、住みたいエリアや部屋の間取り、賃料の予算などを考える必要があります。

 

住みたいエリアについては、職場や学校へのアクセスに便利な路線、駅から徒歩何分以内がいいかなどを検討します。また、アパートの周りには「深夜までやっているスーパーが欲しい」「公園など緑が多い場所がいい」「子育てに向いている街がいい」など、実際の生活スタイルをイメージして希望の条件を考えると良いでしょう。

 

間取りは、一人暮らしなら1R(ワンルーム)や1K(キッチンと居室1つ)、二人暮らしなら1LDK(リビング、ダイニングキッチン、居室1つ)か2LDK(リビング、ダイニングキッチン、居室2つ)などを選ぶのが一般的です。

 

賃料は、月収の3分の1以下が相場といわれています。実際の入居審査でも、月収の3分の1を家賃にあてられるかといった基準で審査されます。審査を通過するためにも、自分の月収と照らし合わせて賃料の予算を決めましょう。

 

物件の条件が決まったら、賃貸情報サイトや不動産会社を通じて条件を満たす物件を探し、気になった物件があったら問い合わせます。

 

内見する

気になる物件の詳細を確認し問題がない場合は、内見をしましょう。内見とは、実際にアパートに足を運び部屋を見ることを意味します。内見は1件だけでなく、複数の物件をまわり比較することが大切です。

 

申し込み、入居審査

内見して物件が気に入ったら、申し込み手続きに移ります。入居申込書に、氏名や住所、勤務先、勤続年数、年収などの情報を記入すると、正式な申し込みの完了です。申し込みには、契約者本人や連帯保証人の収入証明として、源泉徴収票などを提出する場合も多いため、事前に確認しましょう。

 

入居審査の結果は基本的に2〜3日で出ますが、ときに1週間ほどかかるケースもあります。入居審査は、契約者本人の支払い能力を確かめるため、収入の安定性や仕事内容、勤務形態、収入額などから判断されます。外国人の場合は、管理会社や大家さんとコミュニケーションが取れるかといった観点から、日本語が能力も見られる場合があります。事前に外国人OKの物件がどうかを確認しておくほか、外国人の入居可否についての記載がない場合でも交渉してみましょう。

 

連帯保証人とは、契約者本人が何らかの理由で家賃が支払えなくなった際に、代わりに支払ってもらう人を指します。そのため、信頼できる家族や親族などに依頼することが一般的です。ただし、日本にきたばかりの場合は自力で探すのが難しいため、保証会社に委託料を払い、保証人になってもらう方法が良いでしょう。

 

契約

入居審査に無事通ったら、契約内容を再確認し、問題がなければ契約手続きを進めましょう。契約に必要な書類は、後ほど解説します。

 

初期費用について

 

日本で賃貸物件を借りる場合、毎月支払う家賃とは別に、入居前に初期費用を支払う必要があります。ここでは、初期費用に含まれる4つの内容について解説します。

 

敷金、礼金

敷金とは、家賃1か月分に相当する額を指し、部屋から退去する際のクリーニング費用などにあてられます。基本的には、原状回復にかかった費用を差し引く形で、使わなかった分は返金されます。

 

礼金も、家賃1か月分に相当する額が目安となっており、アパートの大家さんに対しお礼の意味で支払うものです。敷金と異なり、退去時の返還はありません。近年では礼金がない物件も増えているため、あらかじめ確認しておきましょう。

 

仲介手数料

仲介手数料とは、物件の紹介や契約手続きをした不動産会社に支払う手数料です。手数料の額は、家賃0.5か月〜1か月分に消費税が加算されたものが一般的です。

 

前家賃

前家賃の支払いとは、入居月の家賃を前払いすることを意味します。例えば、1月に契約し2月から入居する場合は、2月分の家賃を1月の契約の際に支払うイメージです。月の途中から入居する際には、家賃を日割りした額を支払います。

 

火災保険料

火災保険は、火災などのトラブルに備えて加入する必要があります。不動産会社に案内された火災保険に入ることが一般的ですが、自分で保険を選び加入したい場合は、事前に不動産会社に相談しましょう。

 

契約に必要な書類等

 

賃貸物件の契約に必要な4つの書類について、解説します。

 

住民票

住民票は、市区町村の役所で手に入ります。役所の窓口の対応時間は、平日の夕方頃までと限られているため、平日仕事をしている人は早めにスケジュールを調整し受け取りに行きましょう。

 

印鑑証明

印鑑証明も、住民票と同様に市区町村の役所で手に入ります。まだ印鑑証明を取得していない学生などの場合は、居住地の自治体で実印登録を済ませておきましょう。

 

収入を証明する書類

会社員の場合は、源泉徴収票を会社から取り寄せましょう。自営業やフリーランスの場合は、その年の納税証明書または確定申告書などを提出します。

 

銀行口座

家賃が引き落とされる銀行口座の番号と、口座印の用意をしておきましょう。口座印は、一般的に印鑑登録済みのものと別にしますが、同じものでも構いません。

 

賃貸物件の探し方

 

日本での賃貸物件の探し方について、主な2つの方法を紹介します。

 

不動産会社で聞く

街中にある不動産会社に足を運び、物件を探す方法があります。不動産会社を訪ねる場合は、事前に予約をすると確実に対応してもらえるため安心です。不動産会社では、プロのスタッフに直接相談できる点が大きなメリットです。気になっていた物件だけでなく、同じ条件で似た物件も紹介してもらいましょう。

 

物件サイトで探す

日本にはさまざまな物件サイトがあり、インターネット上で気軽に物件探しができます。物件サイトでは、住みたいエリアや最寄駅、賃料の予算、間取り、駅から徒歩でかかる時間などの条件を設定し検索しましょう。きになる物件が見つかったら、サイトから不動産会社に問い合わせをし、内見に進むのが一般的な流れです。

 

まとめ

 

外国人が日本で賃貸物件を借りたい場合、日本ならではのシステムをしっかり押さえて物件探しを進めましょう。日本の賃貸物件には、外国人の入居の可否を定めているところも多いのが現状です。外国人不可となっていても、日本語を話せるまたは勉強中である旨や連絡先として日本人を指定できる旨などを伝えると、交渉できるケースも少なくありません。気になる物件があったら、まず問い合わせをし内見を進め、理想のアパートを見つけましょう。