所得税や住民税は支払う?在留外国人が知っておくべき日本の税金の種類

在留外国人が日本で働く場合、日本の税金システムに沿って納税する必要があります。日本の税金の種類やシステムをよく理解していないと、支払いが遅れ高額な請求を受けたり、減額できることを知らず余分に支払ったりするケースも少なくありません。本記事では、日本の税金について損をしないように、税金の種類や外国人の納税に関する情報を徹底解説します。

 

日本の税金にはどんな種類がある?

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まずは、日本の税金の種類をしっかり押さえましょう。ここでは主な日本の税金として、所得税と住民税を紹介します。

税金の種類の説明

日本で働く外国人は、所得税と住民税については、最低限理解しておくことが求められます。

所得税とは、働いて収入を得たときに支払う税金です。所得税は、収入から必要経費を引いた、所得に対してかかる税金を指します。国籍を問わず、日本で働き収入を得ている人は、所得税の納税義務があります。

住民税とは、1月1日時点で日本に住所があり、一定額以上の給料をもらっている人が市区町村に支払う税金です。所得税と同様に、国籍に関係なく、上記の条件に当てはまる人に適用される税金となっています。

外国人も税金を支払わなければいけない

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外国人も日本に住み働いている以上、日本の税金を支払わなければいけません。外国人労働者の3つの区分を確認し、各区分の納税の義務の違いについて解説します。

どんな外国人に納税の義務があるのか

日本では、個人を居住形態によって区分しており、それぞれの区分に課される基準や範囲に従い、納税する必要があります。外国人労働者は下記の3つの区分に分けられ、それぞれ異なる要件で納税の義務が発生します。

  • 永住者:日本国籍有り、または過去10年の間に日本に住所を持っていた期間が合計5年以上ある外国人

  • 非永住者;日本国籍なし、かつ過去10年の間に日本に住所を持っていた期間が合計5年以下、かつ非居住者ではない外国人

  • 非居住者:日本に住所がなく、かつ日本に1年以上滞在していない外国人

在留外国人にかかる所得税

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在留外国人が知っておきたい、日本の所得税のシステムと支払い方法について解説します。

所得税とは?

所得税とは、収入から必要経費を差し引いた所得に対して、課される税金です。日本では、国籍に関係なく日本で所得のある人全員が、所得税を支払う必要があります。毎年1月1日を起点に、1年間で得た全ての所得に課税されるのが原則です。

居住形態によって課税対象になる所得は違う

在留外国人にかかる所得税は、「永住者」「非永住者」「非居住者」の3つの区分ごとに、課税対象が異なります。各区分の課税対象となる所得は、以下の通りです。

  • 永住者:日本国内と海外で生じた全ての所得

  • 非永住者:日本国内で生じた所得・海外で生じ日本国内で支払われた所得、海外から日本へ送金された所得

  • 非居住者:日本国内で生じた所得のみ

永住者は「国内で支払われたかに関わらず全ての所得に課税」、非永住者は「海外で支払われた所得以外は全てに課税」と覚えておくとわかりやすいでしょう。

所得税の支払い方法

所得税の支払い方法は、「源泉徴収」「確定申告」の2つがあります。

源泉徴収とは、日本の会社に勤めている場合に行われる支払い方法です。会社が前年の所得に応じて算出した、おおよその所得税の金額を毎月の給料から差し引き、代わりに税務署に納めてくれるシステムです。ただし、おおよその金額と本来支払うべき所得税の金額に差が出る場合があるため、1年の収入が確定する年末に「年末調整」として、差額を調整します。いずれにしても、源泉徴収で所得税を納税する場合は、会社の指示に従うため、大きな心配は要りません。

確定申告は、日本で会社に勤めていない場合、自身で所得税を支払う方法です。自ら1年間の収入を確定した上で、税務署に収入と所得税を申告します。確定申告の期間は、基本的に2月16日〜3月15日の間となっていますが、年によって前後する可能性があるため、事前に確認しておきましょう。税務署に申告する際には、自身の住所を管轄する税務署に直接出向く方法と、e-taxを通じオンラインで手続きする方法と、郵送する方法があります。

所得税の控除について

外国人でも一定の要件を満たせば、日本人と同じように所得税の控除が受けられます。ただし、非居住者の外国人が受けられる控除は、「基礎控除」「雑損控除」「寄附金控除」の3つのみになるため注意が必要です。

外国人のみに適用される「外国税額控除」も押さえておきましょう。外国税額控除は、日本と租税条約を結んでいる国から来た外国人に適用されるシステムです。母国で生じた所得に対し母国で所得税を納税した場合、その旨を日本に申告することで、日本の所得税から控除が受けられ、母国と日本の両方に税金を支払う「二重納税」を防げます。ただし、日本と租税条約を締結していない国の場合、二重納税をする必要があるため、事前に締結国を確認しておきましょう。

在留外国人にかかる住民税

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在留外国人が知っておきたい、日本の住民税について、対象者と支払い方法、控除のシステムについて解説します。

住民税とは?

住民税とは、住所がある市区町村に支払う税金です。住民税の金額は「前年の所得金額×10%+均等割」で算出されます。均等割とは、所得に関わらず、自治体の住民がそれぞれ定額で負担する金額を指します。地域によって金額は異なりますが、5,000円前後が目安です。

住民税の対象になる人、ならない人

住民税の対象になる人は、国籍を問わず1月1日時点で日本に住所がある全ての人です。たとえば、2020年2月1日から日本に住み働き始めても、2020年1月1日時点では日本に住所がなかった場合、2020年の住民税を支払う必要はありません。

住民税は前年の所得金額から算出されるため、前年の1月1日から1年間の所得がない場合は、均等割のみを支払うことになります。

住民税の支払い

住民税の支払い方法には、特別徴収と普通徴収の2つの方法があります。

特別徴収とは、日本の会社に勤めている場合に適用される方法です。企業があらかじめ毎月の給料から住民税を差し引き、代わりに市区町村に支払います。企業が支払いを代行してくれるため、個人で住民税を役場に支払うことはありません。

普通徴収とは、日本の会社に勤めておらず、自身で住民税を支払う方法です。毎月6月頃に、市区町村から納付書が届くため、納付書に記載の金額を納付書と一緒に金融機関などに持参し支払います。

住民税の免除

所得税と同様に、住民税にも外国税額控除が適用される場合があります。母国と日本が租税条約を結んでいる場合、住民税の控除限度額の範囲において、都道府県民税・市区町村民税の順で控除が受けられる仕組みです。

都道府県民税の控除限度額は「所得税の控除限度額×12%」、市区町村民税の控除限度額は「所得税の控除限度額×18%」になります。

まとめ

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在留外国人が知っておきたい日本の税金として、所得税と住民税のシステムや支払い方法を解説しました。外国人は3つの区分に分けられ各区分によって納税範囲が異なることをふまえ、自身が支払うべき税金を事前に確認しておくことが大切です。

日本の会社に勤めている場合は、所得税や住民税の支払いを会社が代わりに行いますが、自分自身でやらなければならない場合は、早めに準備を始める必要があります。

外国税額控除についても自身が適用されるか事前に調べておくなど、損をすることのないように、日本の税金について正しく理解しておきましょう。