特定技能1号と2号の違いとは?種類や申請方法を解説

日本では2019年4月より、人手不足の業界における14業種にて、一定の知識や経験を持つ外国人に対して付与する「特定技能」という在留資格を新設しました。特定技能は、さらに1号と2号に分かれており、それぞれの在留資格取得の要件が異なるため、あらかじめしっかり確認しておく必要があります。 そこで今回は、特定技能の概要と対象分野をふまえ、特定技能1号と2号のそれぞれの特徴や要件、特定技能の在留資格取得に向けた試験についてわかりやすく解説します。

特定技能とは

特定技能という在留資格について、詳しく紹介します。

 

概要

特定技能は、2019年4月に新設された在留資格です。日本では人口減少に伴い、働ける年齢として規定されている生産年齢「15歳以上65歳未満」の人口も減少を続けています。

 

近年では、外国人の雇用が増えていますが、アルバイトは週28時間以内、技能実習生は単純労働のみに従事など、さまざまな制約があり、業界の人手不足に対応できなくなりました。

 

そこで新設されたのが、特定技能の在留資格です。特定技能の新設により、特定の産業分野に限り、外国人が現場で就労できるようになり、外国人の就労の幅が広がりました。

 

業種

特定技能で従事できる業種は、1号と2号で異なります。2つに共通する特徴としては、現在日本で人手不足が深刻と言われている業種であるということです。

 

1号では、以下の14業種にて「相当程度の知識または経験を必要とする技能」と認められた業務に従事します。

 

  1. ビルクリーニング業
  2. 産業機械製造業
  3. 素形材産業
  4. 電気・電子情報関連産業
  5. 造船・舶用工業
  6. 建設業
  7. 自動車整備業
  8. 航空業
  9. 漁業
  10. 農業
  11. 介護業
  12. 飲食料品製造業
  13. 宿泊業
  14. 外食業

 

2号は、建設業と造船・舶用工業の2業種のみ、就労が可能です。

 

特定技能1号とは

特定技能1号について、概要から各要件までわかりやすく解説します。

 

概要

特定技能1号とは、前述した14の特定産業分野において、相当程度の知識または経験を必要とする技能業務に従事する外国人に付与する在留資格です。

 

「相当程度の知識または経験を必要とする技能」の水準は、特別な訓練や育成なしで即戦力として一定程度の業務が行えるものとしています。

 

特定技能1号の在留資格を保持する外国人は、1号特定技能外国人と呼ばれます。

 

在留期間

特定技能1号は、通算で5年の在留期間が上限とされています。更新は、4か月、6か月または1年ごとに行う必要があります。

 

技能水準

特定技能の技能水準は、特定産業分野の業務区分ごとの特定技能評価試験などで確認されます。なお、技能実習2号を修了した人は、試験の受験は免除となります。

 

日本語能力水準

日本語能力の水準も、特定技能評価試験などを通じて確認されます。基本的には、日常生活や業務に必要なレベルが求められると考えておくと良いでしょう。

 

技能水準と同様に、技能実習2号を修了した場合は、試験の受験は免除されます。

 

家族の帯同

特定技能1号の場合は、基本的に家族の帯同が認められていません。母国から配偶者や子どもなどを呼び寄せて日本で一緒に暮らすことはできないため、注意が必要です。

 

特定技能2号とは

特定技能2号について、概要から各要件までわかりやすく解説します。

 

概要

特定技能2号は、特定の産業分野において、熟練した技能が必要な業務を行う外国人に付与される在留資格です。

 

従事できる業種が建設業と造船・舶用工業の2種類に限定されている点が特徴です。特定技能1号は、一定の知識や経験のみが求められますが、特定技能2号では、長年の実務経験などからより熟練した技能を習得している必要があります。

 

特定技能2号の在留資格を保持する外国人は、2号特定技能外国人と呼ばれます。

 

在留期間

特定2号は、1号と異なり在留期間の上限はありません。在留資格は、6か月、1年または3年ごとに更新する必要がありますが、更新回数の上限はないため、何度も更新することが可能です。条件を満たすことで、永住申請もできます。

 

技能水準

特定技能2号の技能水準は、建設業または造船・舶用工業について、それぞれの業界団体が国の定めた基準を元に作成された特定技能評価試験で確認されます。

 

具体的な建設業の業務としては、以下の11種類があります。

  1. 型枠施工
  2. 土工
  3. 内装仕上げ/表装
  4. 左官
  5. 屋根ふき
  6. コンクリート圧送
  7. 電気通信
  8. トンネル推進工
  9. 鉄筋施工
  10. 建設機械施工
  11. 鉄筋継手

 

具体的な造船・舶用工業の職種は、以下の6種類になります。

  1. 溶接
  2. 塗装
  3. 仕上げ
  4. 鉄工
  5. 機械加工
  6. 電気機器組み立て


 

日本語能力水準

特定技能2号の場合は、日本語能力水準について、試験などで確認されることはありません。

 

家族の帯同

特定2号は要件を満たすことで、配偶者や子どもといった家族に限り、帯同が許可されます。家族には、親や親戚などは含まれないため、注意が必要です。

 

特定技能の在留資格の取得

特定技能の在留資格を取得するためには、技能実習の修了または特定技能評価試験の合格が必要になります。

 

ここでは、特定技能評価試験の種類と内容について、わかりやすく解説します。

 

特定技能評価試験を受ける

特定技能評価試験は、各特定分野の業界団体が、国の定めた基準を元にして作成されたものです。試験は、技能水準と日本語能力水準を測る内容で、それぞれ構成されています。

 

特定技能評価試験の時期

特定技能評価試験は、業種ごとに実施時期が異なるため、注意が必要です。あらかじめ自身が該当する業種の実施時期について、必ず試験を行う各省庁や団体の公式サイトを通じて、確認しておきましょう。

 

特定技能測定試験の内容

特定技能の在留資格を取得する上で、技能水準の確認として受験しなければならないのが、特定技能測定試験です。

 

試験の内容は、業種によって異なるのが特徴です。各業種ごとの試験内容の詳細は、法務省のウェブサイトから確認しましょう。

 

例えば宿泊業の場合、制限時間60分でマークシート式の問題を30個解く筆記試験と、約5分間で3問出題される口頭試験で構成されています。

 

日本語能力水準試験の内容

特定1号の在留資格を取得したい場合は、日本語能力の水準を確かめる試験を受ける必要があります。日本語能力水準は、日本語能力試験または国際交流基金日本語基礎テストを受けることで判断されます。

 

日本語能力試験は、30年以上の歴史がある試験として広く知られています。レベルはN1からN5まで5段階に分かれており、N1が最も難しいレベル、N5が最も易しいレベルです。特定技能1号の在留資格を取得するには、約300時間の学習で到達できるとされる、N4レベルが必要と言われています。

 

リーディング能力では、基本的な漢字や語彙を用いた日常生活で使われるようなフレーズの文章を、読んで理解できるレベルが求められます。またリスニング能力については、日常生活の中で、ゆっくり話す内容であれば、ほぼ理解できるレベルとされています。

 

国際交流基金日本語基礎テストは、特定技能1号として業務に従事する上で必要とされる、基本的な日本語能力水準を測る試験です。試験は、文字と語彙、文法と会話、読解、聴解の4つの項目で構成され、全60問ほどを60分間で回答します。

 

レベルはA1、A2、B1、B2、C1、C2の6つに分かれており、特定技能1号の在留資格取得には、A2レベルの日本語能力があるかを判定されます。日常生活でよく使われる表現や文章が理解できるほか、自分や身の回りの状況などが簡単に説明できるか、などが見られる項目です。

 

日本語の習得には、コツコツ勉強することが大切なため、早めに試験対策を始めると良いでしょう。

 

まとめ

特定技能の概要と対象分野をふまえ、特定技能1号と2号のそれぞれの特徴や要件、特定技能の在留資格取得に向けた試験について解説しました。特定技能の在留資格を取得したい場合は、まず希望の業種から1号または2号のどちらを取得するのかを明確にした上で、試験の準備等を計画的に行いましょう。