家族滞在ビザとは?概要や取得申請について解説

日本で働く外国人は、家族滞在ビザの許可を取得できれば、母国から家族を日本に呼び寄せ一緒に暮らすことが可能です。ただし、家族滞在ビザの申請において、審査要件や必要書類を事前にしっかり把握していないと、要件を満たしていても不許可となる場合があるため、慎重に申請手続きを進める必要があります。そこで今回は、家族滞在ビザの概要をふまえ、申請の流れや必要書類、家族滞在における就労ルール、ビザ更新に必要な書類について、わかりやすく解説します。

家族滞在ビザとは

家族滞在ビザとは、就労ビザで日本に滞在する外国人が、家族を日本に呼び寄せて1年以上一緒に暮らすことが可能な在留資格を指します。

 

家族滞在ビザの許可を取得できる外国人の例としては、以下の6種類の就労ビザを持っている人が挙げられます。

 

  1. 技能ビザ
  2. 技術・人文知識・国際業務ビザ
  3. 経営管理ビザ
  4. 高度専門職ビザ
  5. 企業内転筋ビザ
  6. その他:報道・医療・教授などの就労に関するビザ

 

家族滞在ビザにおける「家族」とは、配偶者と子どものみを指します。そのため、日本に呼び寄せられる家族には、親や兄弟姉妹は含まれないということを覚えておきましょう。

 

家族滞在ビザの申請

家族滞在ビザの申請について、主な流れと審査基準、必要書類、申請の際のポイントをわかりやすく解説します。

 

流れ

家族滞在ビザの申請の流れは、主に以下の4つのステップに分かれます。

 

  1. 家族滞在ビザの認定証明書交付申請
  2. 認定証明書を母国の家族へ送付
  3. 母国の家族が在外日本領事館にて、ビザの発給申請を行う
  4. ビザ発給、来日

 

ステップ1について、家族を日本に呼び寄せたい外国人本人が、地方出入国在留管理局に足を運び、家族滞在の在留資格に関する認定証明書交付申請をする必要があります。一般的な審査期間は、1〜3か月と言われていますが、個人差があります。

 

ステップ3について、母国の家族は母国にある日本領事館にて、在留資格認定証明書と国によって異なるその他の必要書類を添付し、ビザの発給申請をしましょう。

 

審査基準

家族滞在ビザの審査基準は、主に3つあります。

 

1つ目は、呼び寄せたい家族を日本で働く外国人が扶養しているかという点です。具体的には、実際に仕送りなどを定期的に行っており、日本で働いて稼いだお金で家族を養っているかということを意味します。ただし、子どもが18歳以上の場合は、学校を卒業し自活する能力があると見なされ、家族滞在ビザが不許可になる可能性もあるため、注意が必要です。

 

2つ目は、日本で働く外国人が、家族と一緒に日本で生活するに足りる年収を得ているかという点です。審査基準として、具体的な年収の額が定められているわけではなく、居住地域による物価や、家賃を抜いた生活費にいくらまわせるかなどが考慮されるため、個人ごとに要件は異なります。

 

3つ目は、家族関係が証明できるかという点です。次に説明する必要書類にて、呼び寄せる家族が配偶者または子どもであることを証明する必要があります。

 

必要な書類

家族滞在ビザの申請に必要な書類は、5種類です。ここでは、日本で就労する外国人を扶養者、呼び寄せる家族を申請人と呼びます。

 

  1. 在留期間更新許可申請書 1通
  2. 写真(4cm×3cm) 1枚
  3. パスポートおよび在留カード(またはその他の外国人登録証明書)
  4. 扶養者と申請人との関係を証明するものいずれか1つ:戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書の写し、出生証明書の写し、その他これらに準ずる文書
  5. 扶養者の収入と職業を証明する文書

 

申請人の身分証明

申請人の身分を証明できる書類として、申請人のパスポートのコピーを用意しましょう。

 

申請人の扶養者の収入面の裏付け

扶養者の収入が、日本で家族と一緒に生活する上で十分なものかを裏付ける書類として、下記の書類を用意することが好ましいと言われています。

 

  • 納税証明書・課税証明書
  • 在籍証明書:就労ビザの場合
  • 営業許可書や履歴事項全部証明書の写し:経営管理ビザの場合
  • 日本で一緒に暮らせる年収があることを証明する書類

 

家族滞在での就労

家族滞在ビザで日本で暮らす家族が、日本で就労したい場合、申請内容に応じて「包括許可」または「個別許可」が許可されます。許可を受けた範囲内でのみ、就労することが可能です。

 

包括許可

包括許可とは、1週間で28時間以内に限り、報酬を受ける活動または収入を伴う事業を運営する活動が許可されるというものです。

 

個別許可

個別許可とは、包括許可以外の活動をしたいときに、入国管理局の許可が下りれば認められるものを指します。個別許可による活動をする場合は、入国管理局に活動内容を申請する必要があります。なお、包括許可と同様に、労働時間は1週間で28時間以内と決められているため、申請の際は注意しましょう。

 

許可を受ける要件としては、以下の5つがあります。

 

  1. 申請人が申請する活動に従事することで、現在持っている在留資格に係る活動の遂行が妨げられないこと
  2. 現在持っている在留資格に係る活動を維持していること
  3. 申請する活動が、出入国管理および難民認定法別表第一の一の表または二の表の在留資格の下欄に掲げる活動に該当すること
  4. 申請する活動が、法令に違反すると認められる活動と、風俗営業関連の活動に該当しないこと
  5. 収容令書の発布を受けていないこと


 

家族滞在ビザを更新に必要な主な書類

家族滞在ビザを更新する際に必要な主な書類の例を6つ紹介します。なお、必要書類は自治体によって多少異なる場合もあるため、申請の前に自治体の役所に確認しておきましょう。

 

在留期間更新許可申請書

在留期間更新許可申請書は、法務省のウェブサイトから家族滞在用のものを選びダウンロードできるため、事前に印刷し記入しておきましょう。

 

申請理由書

申請理由書の提出は、必須ではありませんが、スムーズに家族滞在ビザを更新するために提出すると良いと言われています。

 

申請理由書の作成のポイントは2つあります。

1つ目が、申請人を扶養する意思を明確に示すことです。「日本に入国後は、子どもを小学校に入学させる予定で、現在準備をしている」など、具体的な来日後の扶養計画を説明することが望ましいでしょう。

 

2つ目は、家族を扶養できるだけの収入を示すことです。一般的には、今後1年間家族で暮らしていくための経済力があるかどうかを判断されます。毎月の収入や預貯金の額、月々の家賃や生活費などの支出も具体的に記載すると良いでしょう。

 

写真

申請人の顔写真(4cm×3cm)が1枚必要です。申請日の3か月以内に撮影された、無背景かつ無帽で鮮明に写ったものを用意しましょう。写真の裏には申請人の氏名を記載します。なお、申請人が16歳未満の場合、写真の提出は必要ありません。

 

扶養者のパスポートまたは在留カード

扶養者のパスポートまたは在留カードのコピーを準備しましょう。

 

申請人と扶養との身分関係を証する文書

以下の5つの書類から1つを提出する必要があります。

  1. 戸籍藤本
  2. 出生証明書
  3. 結婚証明書の写し
  4. 婚姻届受理証明書
  5. 上記に準ずる書類

 

扶養者の職業及び収入を証する文書

就労ビザで日本に滞在している場合は、以下の3点を用意しましょう。

 

  1. 給与証明書
  2. 在職証明書
  3. 1年間の総所得と納税状況が記載された納税証明書および住民税の課税証明書

 

経営管理ビザで日本に滞在している場合は、以下の4点の文書が必要です。

  1. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表のコピー(受付印があるもの)
  2. 最新年度の貸借対照表と損益計算書のコピー
  3. 1年間の総所得と納税状況が記載された、住民税の課税証明書および納税証明書
  4. 株主総会議事録など、役員報酬がわかる書類のコピー

 

まとめ

家族滞在ビザの概要をはじめ、申請の流れや必要書類、家族滞在における就労ルール、ビザ更新に必要な書類について徹底解説しました。申請には、日本と母国の両方で手続きが必要になるほか、必要書類を過不足なく揃えることが必要になります。そのため早めの準備を意識し、スムーズな家族滞在ビザの取得を目指しましょう。