日本語能力検定にはどんなレベルがある?試験の内容や難易度について

日本語を勉強する外国人にとって、自身の日本語力を測る方法の1つに、日本語能力検定の受験が有効です。外国人を採用する日本企業のなかには、日本語能力検定のレベルを採用基準に入れているところもあるため、近年受験の需要が高まっています。そこで今回は、日本語能力検定の概要をふまえ、レベルと難易度、試験内容について詳しく解説します。

日本語能力検定とは

「日本語能力検定」とは、日本語以外を母語とする日本語学習者を対象にした検定試験です。

 

日々の日本語学習の成果を測る目的だけでなく、日本で生活したり働いたりするのに必要な日本語能力があるかを測る目的で受験します。

 

なお、「日本語検定」は日本人を対象とした検定試験です。外国人向けの検定試験のなかにも「日本語検定」という単語が含まれているものもあり混同しやすいため、受験する前に受験対象を確認しましょう。

 

日本語能力検定の種類

 

日本語能力検定のなかには、さまざまな種類の検定試験があります。今回は、日本語を母語としない外国人を対象とした4つの検定試験について紹介します。

 

日本語能力試験 JLPT

外国人向けの日本語能力を測る検定のなかで最も代表的なものの1つが、日本語能力試験(JLPT) です。外国人が日本での生活や就労に必要な、リーディングとリスニングの日本語能力を測る試験となっています。試験は7月と12月の年2回実施され、海外でも受験可能です。試験が実施される海外の都市については、公式ウェブサイトで確認できます。

 

日本に留学したり働いたりする予定の外国人をはじめ、日本企業で働きながら昇級などを目指したい外国人は、まず受験すべき試験といえます。

 

日本企業が外国人材を採用する際に、日本語能力試験のレベルを元に日本語能力の要件を設けるケースも少なくありません。

 

実用日本語検定(J.TEST)

実用日本語検定(J. TEST) は、1991年から実施されている外国人向けの日本語能力検定です。年間5万人が受験する検定試験で、日本語学校の生徒から留学生、会社員など幅広い人が受験します。試験は年6回開催されるため、受験の機会が多い点が特徴です。

 

レベルはA〜Gまでの7つに分かれます。上級者向けがA〜C、初級中級者向けがDとE、入門者向けがFとGです。

 

A〜Cレベルの試験は1,000点満点中600点以上、DとEレベルは700点満点中350点以上、FとGレベルは350点満点中180点以上が合格となります。

 

実用日本語運用能力試験(TopJ)

実用日本語運用能力試験(TopJ) は、外国人を対象とした、日本語の語彙や文型、文法などの理解力を測る試験です。特にアジア圏の人がよく受験する試験といわれています。

 

日本社会の習慣や企業文化を理解できる試験内容にもなっており、日本語の語学力だけでなく日本社会への適応力を高めることにも繋がります。

 

試験のレベルは初級、中級、上級の3つに分かれており、日本へ留学する際には、JLPTと同様にTopJの成績を証明として提出することが可能です。

 

ビジネス日本語能力テスト(BJT)

ビジネス日本語能力テスト(BJT) は、名前の通りビジネスの世界で必要な日本語能力を測る試験です。本試験は毎日開催されていますが、次の受験まで3ヵ月間空けなければ再受験できないので注意しましょう。

 

日本の企業のなかには、外国人を採用する際の基準の1つとして、BJTを目安にするところもあります。さらに在留資格認定書交付申請の審査においても、JLPTと同様、BJTの結果を提出できます。

 

日本語能力試験(JLPT) のレベルと難易度

 

日本語を勉強する外国人の間で最もポピュラーな検定試験の1つ、日本語能力試験(JLPT) の各レベルの詳細と難易度について解説します。

 

レベル

日本語能力試験のレベル、N1からN5まで5つに分かれており、数が小さいほど難易度が上がります。

 

  • N1:幅広い場面で使われる日本語を理解できる
  • N2:日常的に使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる
  • N3:日常的に使われる日本語をある程度理解できる
  • N4:基本的な日本語を理解できる
  • N5:基本的な日本語をある程度理解できる

 

具体的な認定の目安は、次項で説明します。

 

難易度

最も難易度が高いN1は、新聞やニュースの内容を理解でき、ビジネスにおける日本語の会話も問題なくできることが認定の目安になります。N1に認定されると、日本語の通訳ができるレベルとみなされます。

 

N2は、日本で日常生活を送る上で必要な日常会話が問題なくできるレベルを指します。日本の企業が外国人を採用する際の日本語レベルの基準として、N2以上を設けているケースも少なくありません。

 

N3は、自然なスピードでの日常会話はある程度理解できますが、ビジネスにおける会話を理解するのはまだ難しいといったレベルです。日本でコンビニのアルバイトをするには、N3以上が必要といわれています。

 

N4は、基本的な日本語が理解できるレベルです。日常会話は、通常よりややゆっくり話せばほぼ理解できるほか、基本的な漢字や語彙を使った文章を読んで理解できることが目安になります。

 

N5は、基本的な日本語をある程度理解できるレベルとして、挨拶や自己紹介ができるほか、日常生活における簡単や会話をゆっくりとしたスピードで理解できることが認定の目安です。

 

日本語能力試験(JLPT) の内容

 

日本語能力試験(JLPT) の内容について、N1〜N5までのレベル別に紹介します。

 

N1

試験科目は、「言語知識・読解」が110分、「聴解」が60分です。

 

「言語知識・読解」は、3つのセクションに分かれて出題され、それぞれ下記の大問で構成されます。

  • 文字・語彙:漢字読み、文脈規定、言い換え類義、用法
  • 文法:文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法
  • 読解:内容理解(短文、中文、長文)、統合理解、主張理解(長文)、情報検索

 

「聴解」は、話題理解、ポイント理解、概要理解、即時応答、統合理解の5つの大問で構成されます。

 

N2

試験科目は、「言語知識・読解」が105分、「聴解」が50分です。

 

「言語知識・読解」は、3つのセクションに分かれて出題され、それぞれ下記の大問で構成されます。

  • 文字・語彙:漢字読み、表記、語形成、文脈規定、言い換え類義、用法
  • 文法:文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法
  • 読解:内容理解(短文、中文)、統合理解、主張理解(長文)、情報検索

 

「聴解」は、話題理解、ポイント理解、概要理解、即時応答、統合理解の5つの大問で構成されます。

 

N3

試験科目は、「言語知識(文字・語彙)」が30分、「言語知識(文法)・読解」が70分、「聴解」が40分です。

 

「言語知識・読解」は、3つのセクションに分かれて出題され、それぞれ下記の大問で構成されます。

  • 文字・語彙:漢字読み、表記、文脈規定、言い換え類義、用法
  • 文法:文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法
  • 読解:内容理解(短文、中文、長文)、情報検索

 

「聴解」は、話題理解、ポイント理解、概要理解、発話表現、即時応答の5つの大問で構成されます。

 

N4

試験科目は、「言語知識(文字・語彙)」が25分、「言語知識(文法)・読解」が55分、「聴解」が35分です。

 

「言語知識・読解」は、3つのセクションに分かれて出題され、それぞれ下記の大問で構成されます。

  • 文字・語彙:漢字読み、表記、文脈規定、言い換え類義、用法
  • 文法:文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法
  • 読解:内容理解(短文、中文)、情報検索

 

「聴解」は、話題理解、ポイント理解、発話表現、即時応答の4つの大問で構成されます。

 

N5

試験科目は、「言語知識(文字・語彙)」が20分、「言語知識(文法)・読解」が40分、「聴解」が30分です。

 

「言語知識・読解」は、3つのセクションに分かれて出題され、それぞれ下記の大問で構成されます。

  • 文字・語彙:漢字読み、表記、文脈規定、言い換え類義
  • 文法:文法形式の判断、文の組み立て、文章の文法
  • 読解:内容理解(短文、中文)、情報検索

 

「聴解」は、話題理解、ポイント理解、発話表現、即時応答の4つの大問で構成されます。

 

まとめ

 

日本語能力検定の概要からレベルと難易度、具体的な試験内容まで一挙ご紹介しました。日本に留学する予定の方や日本企業に就職したい方などは、自身の日本語能力を証明するために、積極的に日本語能力検定を受験しましょう。JLPTは年2回のみの実施となるため、申し込み忘れのないよう、あらかじめ受験スケジュールを確認しておくことが大切です。