日本の教育はどういうもの?日本の学校生活をご紹介
- 2021.07.07

日本の学校に通うことが決まったら、楽しみな気持ちの反面、不安も大きいですよね。慣れない学校生活にカルチャーショックを感じる場面も少なくはないでしょう。学校生活を過ごすうちに慣れてくるものではありますが、日本の学校の習慣や決まりごとについて事前に知っておくことで、安心してスクールライフをスタートさせることができるはずです。こちらの記事を参考に、日本の学校生活の様子について触れておきましょう。
日本の学校
日本の学校では、4月から次の年の3月までを一学年としています。例えば、2021年4月に1年生になった生徒は、次の年の3月まで1年生で、4月からは2年生として新しい学年での学校生活をスタートさせる仕組みになっています。この4月から次の年の3月までを「年度」と言います。
年度のなかにも区分があり、基本的には長期休暇を挟んで1学期・2学期・3学期に分かれます。年間スケジュールや学期別の行事については後の項目でまとめていますので、こちらでは日本の学校の仕組みについて知っていきましょう。
義務教育期間
日本では小学校と中学校が義務教育となっており、年齢ごとに学年が上がる仕組みになっています。そのため、原則、落第や留年はありません。6歳になって最初の4月に小学校に入学し、6年間通います。小学校卒業後は中学校に入学し、3年間通います。つまり日本の義務教育は小学校と中学校合わせて9年間になります。
中学校卒業後は高等学校に進学したり就職したりします。後述しますが、中学校卒業後の進路は、担任の先生のアドバイスも受けながら子どもと親の間でしっかり話し合いましょう。
中学校卒業後の進路
中学卒業後の進路は、大きく分けて就職と高等学校への進学があります。また、高等学校卒業後も就職と大学・短大・専門学校への進学に分かれます。高等学校に入学するには入学試験に合格する必要があります。試験内容は全て日本語で出題されるため、日本語で書かれた教材やテストに慣れておくといいでしょう。
高等学校には、全日制、定時制、通信制の3つの種類があり、それぞれ公立と私立に分かれます。公立・私立の違いは運営母体にあり、公立は地方公共団体が、私立は学校法人が設置しています。授業内容に大きな違いはありませんが、私立の高等学校は学校ごとにカリキュラムが豊富で、将来に向けて特定の分野を勉強できる学校もあります。ただ、授業料も公立に比べると高いことが多いです。
全日制の学校は、通常朝の8時から夕方4時まで勉強します。農業や工業といった専門的な分野を学べる学校もあれば、一般的な今日かと専門分野を組み合わせて学べる学校もあり、留年しない限りは3年で卒業できます。定時制は全日制に比べて1日の学習時間が短く、夕方5時から夜9時に通うことが多いです。一日4時間程度しか学習しない分、卒業まで4年かかることもあります。通信制は学校に通わずに、家で勉強や課題を進める種類の高等学校です。定期的に通学するタイミングもありますが、事情があって学校に通えない方でも高校卒業の資格を取得することができます。
ただし、義務教育期間に日本国内にある外国人学校およびインターナショナルスクールに通っていた方や、9年間の学校教育を受けていない方は高等学校の受験資格がありません。「中学校卒業程度認定試験」を合格してから高等学校を受験する必要があるので注意が必要です。
学校生活の一例、行事など
学校生活は「登校」から始まります。登校の際は決められた通学路を通り、近くに住む児童で集まって登校するようにしましょう。
学校に到着したら所属する教室に集まり、「朝礼(朝の会)」があります。主に担任の先生からさまざまな連絡をする時間ですが、学級ごとに歌を歌ったりスピーチをしたりする場合もあります。
朝礼後、時間割に沿って「授業」が進められます。午前の授業が終了したら「昼食」があり、「昼休み」や「清掃」があります。その後、午後の授業を受け、「帰りの会」で明日の予定などを確認し下校する流れになります。中学校では放課後に「部活動」があります。興味のある部活に入部すると、他の部員たちと一緒に運動や文化的な活動を行うことができます。
昼食について
昼食は給食があります。給食当番になった場合は、白衣を着て給食をよそったり運んだりし、当番の期間が終了したら白衣を洗濯して次の当番に渡します。給食は栄養バランスのとれた食事を楽しみながら、日本の食事マナーについて学べる時間でもあります。宗教やアレルギーの問題で食べられない食材がある場合は、事前に担任の先生に相談しましょう。給食が出ない学校ではお弁当を持参する必要があります。また、給食の場合でも、食材料費は保護者が負担することとなっています。
年間行事について
学校ごとに区切りが異なる場合もありますが、4月から7月中旬までを1学期、9月から12月を2学期、1月から3月までを3学期と区切ることがほとんどです。学期の間には夏休み・冬休み・春休みなどの長期休暇があり、それに合わせて宿題も出されます。
4月には入学式や始業式があり、一学年がスタートします。秋に開催されることも多いですが、5〜6月に運動会(体育祭)が開催され、夏にはプールの授業もあります。また、地震や火災時の避難訓練が行われる他、学年ごとに修学旅行や林間学校に行くことも。3月に行われる修了式や卒業式をもって、一学年が終了します。
行事ごとに必要な持ち物があるので、先生からの便りを見ながら、保護者と子どもで一緒に準備をしましょう。基本的に、学校があるのは月曜から金曜ですが、土曜日や日曜日に授業があった場合は代わりに月曜日がお休みになることもあります。必ず保護者も一緒にスケジュールを把握しておいてください。
授業について
授業時間は小学校だと1コマ45分、中学校だと1コマ50分であることが多く、1コマの間に休み時間(約10分)があります。小学校では主に担任の先生が、中学校では各教科の担当の先生が授業を進行します。教科によって教室が移動する場合もあるので、その際は休み時間中に移動を済ませるようにしましょう。
小学校で学習する教科
小学校では主に「国語」「算数」「体育」「音楽」「図画工作」を学びます。3年生以上になったら「理科」「社会」「外国語」が追加され、学年を追うごとに授業内容も難しくなります。特別教科の「道徳」では、生徒たちが意見を述べ合い、考えたり議論したりします。また、前述した「運動会」や「修学旅行」も学習の一環です。
中学校で学習する教科
中学校での学習も、ベースは小学校と変わりません。ただ計算して正しい答えを求める「算数」から、答えを求めるまでの過程が重要視される「数学」になり、より複雑度を増します。「体育」は「保健体育」になり、体を動かすだけでなく、性や健康についての座学があります。
主な持ち物の例
主な持ち物はランドセル(小学校)・指定の通学バッグ(中学校)のほか、筆記用具、教科書、ノート、上履きなどがあります。体育の授業では体操服や体育館シューズ、音楽の授業では鍵盤ハーモニカやリコーダーなど、授業ごとに必要になる持ち物も多いです。原則、持ち物は自分で購入する必要があるので、授業で必要なものは先生から連絡があり次第、早めに購入するようにしましょう。他の児童も同じような持ち物を持っているため、全ての持ち物に名前を書いてください。
教科書
教科書は、小・中学校ともに国から無償で給与されます。国から給与される教材以外の補助教材に関しては購入費用が必要になります。
服装
服装は、小学校は私服で中学校は指定の制服を着ていく学校が多いです。服装についての細かい指定は学校ごとに定められていることもあるので、学校の決まりに適応した服装を心がけてください。
その他のきまり
学校は授業を受ける場でもありますが、集団行動を学ぶ場でもあります。そのため、学校で定められたきまりには従うようにしてください。
校則について
学校ごとにルールを定めた校則があります。まず、学校に登校する際は化粧やマニキュア、アクセサリーの着用は原則禁止です。特に長い爪やピアスなどは、他の児童に怪我を負わせてしまう危険もあるため、着用しないでください。
また、日本の社会では時間厳守が大切です。登校時間や授業開始時間に遅刻しないよう、注意してください。もし止むを得ず遅刻、欠席する場合は事前に担任の先生に連絡をしてください。早退時も同様です。学校で体調が悪くなり早退することとなった場合には、担任の先生から保護者に電話がいきます。
評価について
成績はテストの結果だけでなく、授業態度や普段の生活の様子を合わせて総合的に出されます。成績に関しては三者面談や通知表で保護者に伝えられるので、学期末に必ず確認してください。これらの成績は高等学校への進学時に大きく響きます。生活態度も評価に繋がるため、時間厳守や校則に従うようにしましょう。
まとめ
今回は、日本の学校生活の様子について紹介しました。この記事に書いてあることは一般的な例ですので、詳細は学校の先生に確認してくださいね。日本の学校は勉学に励むほか、対人関係や日本社会での生き方について学ぶ場でもあります。日本の文化に慣れて、楽しい学生生活が送れるよう、保護者の方も一緒にサポートしてあげましょう。