あると便利!日本の交通系ICカードの種類と用途を紹介
- 2021.09.15

コンビニやお店での買い物で、SuicaやPASMOなどの『交通系ICカード』が使えることを知っていますか。 現金で買い物をするよりも、交通系ICカードで買い物をする方が簡単で便利なのです。最近は、現金を持たずにQRコード決済や交通系ICカードを使った電子マネー決済だけで買い物する人も増えています。 この記事では、日本の交通系ICカードについて、どのようなカードがあるのか、どのような場面で使うことができるのかを説明します。
ー目次ー
交通系ICカードとは
交通系ICカードとは、切符の代わりとして利用できるICカードです。交通機関を利用する際は、改札や専用端末にカードをかざすだけで自動的にお金が引かれます。切符を買う必要がないため、目的地の駅名や運賃が分からなくても気軽に交通機関を利用することができます。また、現金の代わりとして交通系ICカードを利用する人もいます。自動販売機や、お店でも交通系ICカードが使えるところもあります。
全国の交通系ICカード
どんな種類のものがある?
日本国内にはさまざまな種類の交通系ICカードがあります。どれも電子マネーとして使えるという点では同じですが、カードによって利用できるエリアが異なるため、注意が必要です。
カードの種類は大きく分けると「相互利用することができるカード」と「相互利用ができない地域独自のカード」の2つのタイプがあります。悩んだ時は相互利用可能なカードを1枚持っておくと便利でしょう。
「地域独自のカード」は、地域のバス会社や鉄道会社が運営しており、日本国内で40種類近くあります。使用できる地域が限られているため不便さがありますが、割引サービスや地元の商業施設と連携しているなど、地域に寄り添ったサービスが充実しているのが特徴です。国内旅行や出張の時に、いろいろな都道府県で使える交通系ICカードが欲しい方は、次に紹介する相互利用可能なカードを選ぶようにしましょう。
「相互利用ができるカード」は、日本国内で10種類あります。それぞれのカード運営会社が連携をして、1枚のカードで北海道から九州まで相互利用できるようにしています。相互利用可能とは、一枚のカードで他の地域でも使えるという意味です。
交通系ICカードの支払い方法
交通系ICカードの支払い方法には、前払いの「プリペイド式」と後払いの「ポストペイ式」の2つのタイプがあります。
・プリペイド式…カードへ事前にお金をチャージ(入金)して利用するもの。チャージされた金額から利用分の金額が差し引かれます。不足すると支払いが完了できないため、追加でチャージをする必要があります。
・ポストペイ式…クレジットカードや銀行口座と連携して利用するもの。クレジットカードのように使った分の金額が1カ月間毎に集計され、後払いで支払います。
日本国内では、ほとんどがプリペイド式です。プリペイド式は事前に入金した分の金額しか使うことができないため、使いすぎ防止にも良いでしょう。
次に、相互利用可能な10種類の交通系ICカードを詳しくみていきましょう。
相互利用可能な交通系ICカード10種類を紹介
相互利用可能なカードは日本国内に10種類あり、購入する場所によりカードの種類が異なります。相互利用できるといっても、支払いは地域ごとに完結させる必要があります。例えば東京でICカードをかざして乗車し、大阪で降車してカードをかざしても改札は開きません。各カード会社が定めるエリエリア毎に支払いを完了する必要があります。
それでは、各カードの使える地域と、特徴や機能を詳しく見ていきましょう。
1.Suica
青森県などの東北地方から、東京や埼玉、神奈川などの関東地方に展開する会社「JR東日本」が発行しています。特急券・グリーン券・新幹線にも使える交通系ICカードです。ポイントが溜まるサービスや、携帯電話やスマートフォンがカード代わりになる「モバイルSuica」、対象のクレジットカードと連携して自動でチャージする機能もあります。
2.PASMO
東京や神奈川などの首都圏エリアで「株式会社パスモ」が発行しています。ポイントが溜まるサービスや、Androidのスマートフォンがカード代わりになる「モバイルPASMO」、対象のクレジットカードと連携して自動でチャージする機能もあります。
3.ICOCA
大阪、京都、さらに富山、石川、島根、山口などのエリアに展開する会社「JR西日本」が発行しています。水色の背景にカモノハシのキャラクターのデザインがかわいく、関西帰りのお土産にも人気だとか。ポイントが溜まるサービスや、クレジットカードと連携して自動でチャージする「SMART ICOCA」というカードもあります。
4.manaca
愛知、静岡、山梨、長野など東海地方の鉄道会社2社から発行されています。「日本の真ん中をつなぎ、くらしの真ん中をつなぐICカード」というのが名前の由来です。ポイントがたまるサービスや、対象のクレジットカードと連携することで自動チャージの機能も利用できます。
5.TOICA
愛知、静岡、山梨などの東海地方から、富山、滋賀などのエリアでJR東海が発行しています。新幹線の乗車にも使うことができますが、チャージは現金のみでクレジットカードとの連携はできません。ポイントサービスもなしという、シンプルな作りになっています。
6.Kitaca
JR北海道が発行しています。切符の代わりとして使用できるエリアは、札幌市周辺の路線のみです。北海道内では切符の代わりとして使用できる範囲は小さいですが、相互利用可能のシンボルマークがある場所では電子マネーとして使用できます。ポイントサービスや、クレジットカードと連携する自動チャージの機能はありません。
7.SUGOCA
福岡、長崎、鹿児島などのエリアに展開する会社「JR九州」が発行しています。公式でSUGOCAは「Smart Urban GOing CArd」の略ということにはなっていますが、九州地方の方言『すごか』(すごい)と、かけているのは明らかです。ポイントが溜まるサービスや、対象のクレジットカードと連携して自動でチャージする機能もあります。
8.nimoca
福岡や熊本など九州地方で、「株式会社ニモカ」が発行しています。ポイントが貯まるサービスもあります。対象のクレジットカードと連携して自動でチャージする「クレジットnimoca」というカードも発行しています。
9.はやかけん
福岡の福岡市交通局が発行しています。お店での買い物に使えるほか、行政窓口や公共施設でも使える点が特徴です。チャージは現金のみで、クレジットカードとの連携はありません。ポイントが貯まるサービスも提供しています。
10.PiTaPa
大阪・京都などの関西エリアで“株式会社スルッとKANSAI”が発行しています。日本で唯一のポストペイ式電子マネーです。しかし、ポストペイ式の支払方法はPiTaPaエリアとICOCAエリアの一部でしか使えない点に注意が必要です。それ以外のエリアではプリペイド式の支払方法になります。
旅行の際に地域限定の交通系ICカードを集めても楽しいかもしれません。少し変わった日本のお土産としてもおすすめです。
交通系ICカードが使える場所
全国で相互利用ができる10種類の交通系ICカードは、1枚持っていると移動や買い物の時にとても便利です。持っている交通系ICカードのマークもしくは、「全国相互利用のシンボルマーク」が掲示してある場所で使用できます。例えば、上の写真の自動販売機には「全国相互利用のシンボルマーク」が掲示されています。他にも駅の改札や、バスのICカードをかざす端末、お店のレジの横にマークが掲示してあるので、確認しましょう。
交通系ICカードは次のような場面で利用できます。
交通系ICカードの用途
公共交通機関を利用するとき
JRや各私鉄などの電車や都営バスなどの公共交通機関を使って学校や会社へ行く人も多いのではないでしょうか。交通系ICカードがあれば、ワンタッチで乗車できます。
タクシーを利用するとき
都市部ではタクシーの運賃支払いにも交通系ICカードが使える場合があります。地方ではICカード読み取りの機会を搭載していないタクシーも多いので、乗車前に運転手に確認してから利用しましょう。
買い物をするとき
交通系ICカードのマークが掲示されているスーパー、全国チェーンの飲食店、コンビニ、商業施設、ドラッグストア、家電量販店などで利用できます。
旅行をするとき
交通系ICカードを使って少し遠出してみるのも楽しいかもしれません。例えば、博物館や美術館の窓口で入館料を支払うときに簡単に決済できる施設もあります。そのほかにも、神社・お寺の拝観料、またホテルなどの宿泊費も交通系ICカードで支払いができるところも増えてきています。温泉やプールといった各施設の利用料などにも使える場合があるので、会計時にストレスなくレジャーを楽しめます。
この他にも郵便局や配送業者などでも利用できるなど、使用可能な場所や場面はたくさんあります。交通系ICカードは、これからさらに色々なシーンで活用できるようになりそうです。
まとめ
日本で使うことのできる交通系ICカードの種類とその用途について説明しました。最近は交通系ICカード対応のお店も増えているので、ぜひ使ってみてください。使うときは自分の持っているカードが使用できるかどうかを事前に確認しましょう。特に地方限定のICカードの場合、使えない場合が多いので注意しましょう。