日本のごみ分別ルールとマナーを解説! ご近所トラブルが多い「ごみの捨て方」について

日本で暮らす外国人のご近所トラブルで多いのは「ごみの捨て方」に関するトラブルです。ごみの捨て方のルールを知らなかったために、トラブルになってしまうことも多いようです。 日本では暮らす地域や自治体によって、ごみの捨て方や細かいルールが異なります。この記事では、日本のごみ捨ての基本ルールから地域によって異なるルールの例、外国人によくあるご近所トラブル例を紹介・解説します。日本での生活をより快適に過ごすために、しっかりとチェックしておきましょう。

ー目次ー

ご近所トラブルを起こさないために!日本での「ごみの捨て方」を学ぼう

  【ごみに関するご近所トラブルを防ぐためにできること】

日本でのごみの捨て方、基本のルール

  1. 自治体指定のごみ袋を使う

  2. 決められた種類のごみを、決められた時間・場所・曜日に出す

収してもらえるごみの種類とマーク

自治体では回収してもらえないごみがある

住んでいる自治体によって違いがある、ごみの分別方法例

  衣類の捨て方

  ペットボトルの捨て方

  ドレッシングや調味料などの汚れた瓶の捨て方

  スプレー缶の捨て方

外国人住居者によくある、ごみにかかわるご近所トラブ

  粗大ごみにかかわるトラブル

  生ごみから出る悪臭に関するトラブル

    生ごみの臭いを防ぐために、生ごみを出し忘れたときの対処法

まとめ

 

ご近所トラブルを起こさないために!日本での「ごみの捨て方」を学ぼう

「日本のごみの捨て方のルールは細かくて厳しい」と感じる外国の方は多いようです。日本人でもルールを守らないで、ご近所トラブルになるケースが多くみられます。
ゴミの分別やルールは、暮らす地域によって異なり、ごみの捨て方やごみを出す曜日・時間が細かく決まっています。

慣れないうちは、面倒で大変だと感じるかもしれません。しかし、ご近所とトラブルを起こしてしまうと、最悪の場合、今住んでいるところに住み続けられなくなる可能性もあります。「生活習慣が違う。知らなかった。」では済みません。

最近は、自治体のホームページなどで外国語版のごみの捨て方ガイドや外国人向けパンフレットを配布しているところもあります。

役場での転居届けのついでに、外国語版のパンフレットがもらえるか確認してみるとよいでしょう。

 

【ごみに関するご近所トラブルを防ぐためにできること】

・大家さんや不動産屋さんから、ごみの捨て方に関するルールを事前に説明してもらう

・自治体のホームページやパンフレット、ごみ捨て場の掲示板などで確認する

・不明なことがあったら、ご近所や自治体に相談するようにする

 

日本でのごみの捨て方と基本のルール

 

まずは日本での、ごみを捨てる方法や基本のルールを解説します。
ごみの捨て方やルールは、住んでいる地域によって異なります。ここで紹介している内容と地域・自治体のルールが異なる場合は、それぞれの地域・自治体のルールを優先してください。

 

1. 自治体指定のごみ袋を使う

ごみを捨てるときに使うごみ袋に、有料のごみ袋を指定する自治体が多いです。そのため、指定の有料のごみ袋を販売店で購入する必要があります。小さな市町村では、有料のごみ袋ではなく、中身が見える透明または半透明のポリ袋を使うようにと指定しているところもあります。
住んでいるところのゴミ袋は何が指定されているか、きちんと確認しましょう。
自治体指定のゴミ袋も、透明・半透明のポリ袋も、近所のスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで購入できます。


また、他にも有料の「ごみシール」を使用することをルールにしている地域・自治体もあります。その場合は、ごみシールを地域の販売店で購入し、指定のごみ袋にごみシールを貼って、ごみ捨て場に捨てます。

 

2. 決められた種類のごみを、決められた時間・場所・曜日に出す

住んでいる地域の決められたごみ捨て場所に、その日に回収してもらえる種類のごみだけを捨てましょう。同じ市町村であっても、住んでいる地域によって回収してもらえるごみの種類や時間・曜日が異なります。
また、ゴミ捨て場にごみを出す時間帯も決められています。ゴミを出す時間は、朝方5時頃から朝8時頃までの時間帯が一般的です。回収していない曜日にごみを出したり、回収日の前日の夜にごみを出したりする行為はルール違反です。やめましょう。
また、ごみ捨て場は地域のみんなで使うものです。きれいに使うように心がけましょう。自治体によってはゴミ捨て場の掃除当番が回ってくるところもあります。

一般的に燃えるごみの回収は週2回、燃えないごみの回収は週1回または2週に1回の場合が多いです。詳しい内容は、地域で配布しているごみカレンダーやパンフレットなどで確認しましょう。

 

【ごみの捨て方でよく使われる単語と意味】

●第〇×曜日・・・その月の〇回目の×曜日という意味です。

例)第2水曜日=カレンダーの2回目の水曜日のこと

 

●毎週・・・「1週間ごと」という意味です。週単位で区切る表現です。

例)毎週金曜日=すべての週における金曜日のこと

 

●隔週・・・1週間の間隔を空けることを意味する表現です。「一週間おき」とも言います。
例えば、「粗大ごみの回収日が隔週月曜日」だった場合、粗大ごみの回収があった次の週の月曜日は回収がありません。その次の月曜日にまた回収があります。

 

回収してもらえるごみの種類とマーク

続いて、ごみの種類とマークを紹介します。

 

自治体では回収してもらえないごみに注意

【家電リサイクル法】という日本の法律によって、自治体では回収してもらえないごみがあります。一般家庭から排出される大型家電が対象となります。家庭で不要になったエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機が対象家電です。

大きな家電を捨てるときは、普通のごみとして捨てないようにしましょう。
 

【同じ品目の新しい家電に買い換える場合】

・新しい家電を購入する店舗に、使っていた古い家電の引き取りを依頼しましょう。それぞれの店舗によって、サービスが異なります。引き取りを依頼すると、値引きのサービスが受けられる場合や、お金がかかる場合があります。事前にお店に確認しましょう。
 

【買い換えではなく、処分のみの場合】

・家電を購入した店舗がわかる場合は、その店舗に引き取りを依頼しましょう。
どこのお店で購入したかわからない、または購入した店舗が近くにない場合は、住まいのある自治体のホームページまたは電話で確認してください。

 

※不要になった家電を引き取ってもらうためには、「リサイクル料金+収集・運搬料金」を支払う必要があります。この料金は、依頼した店舗や業者によって異なります。


 

ごみの分別でよく見かけるマークの意味は?

捨てたいごみがどの種類になるのか判断が難しいときは、パッケージに書いてあるマークを確認してみましょう。よく見かけるマークは以下の通りです。

 

参照:識別表示|公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 (jcpra.or.jp)

 


 

住んでいる自治体によって違いがある!ごみの分別方法例

同じ品目のごみであっても、自治体によって細かいルールに違いがあります。
よく見られる捨て方の違いを紹介します。

 

衣類の捨て方

衣類は燃えるごみとして捨てることができます。ただし、自治体によっては、衣類に付いているボタンやファスナーなどは取ってから捨てるようにと指示しているところもあります。

綺麗な衣類は捨てずに、リサイクルショップに持ち込むと売ることができるかもしれません。また、「ユニクロ」では、着られなくなった服をリサイクル回収しています。ただ捨てるのではなく、リサイクル・リユースをすると環境にやさしいです。

 

ペットボトルの捨て方

資源ごみの中でも、自治体によって細かな違いが多いのが、ペットボトルの捨て方です。

まず、ペットボトルリサイクルのマークがあるかを確認しましょう。マークの記載があった場合は、ペットボトルの中を水で洗い、乾かしてから捨てましょう。

次に、さらに細かく分別します。

・キャップを外して、ラベルを付けたままペットボトルを捨てる

・キャップ、ラベルを外し、ボトルとわける

・ペットボトルをつぶす

など分別方法は、地域によってさまざまです。住まいのある自治体のルールに従いましょう。

また、ペットボトルにタバコやガムなどごみが入っているものや、子どもの工作等に使って色を塗ったり切ったりしたペットボトルは資源ごみの対象外です。

 

ドレッシングや調味料などの汚れた瓶の捨て方

汚れた瓶の基本的な捨て方は以下の通りです。

①瓶の中身を捨てる

②瓶を水で洗う

③ラベルをはがす

④フタと瓶を分別して捨てる

 

※瓶の色分け(透明・黒・緑・茶など)をして、収集日を分けている自治体もあります。

※油瓶や化粧品などの口に入れてはいけないものが入っていた瓶、薬の入っていた瓶、汚れがひどい瓶などは、不燃ごみとして取り扱っている自治体が多いです。

 

スプレー缶の捨て方

スプレー缶を捨てる場合は、穴あけをして処分することを義務化している自治体と、穴あけをする必要のない自治体があります。中身の入ったスプレー缶は、そのまま捨てると車両火災の原因になります。必ず自治体のルールを守って、正しく安全に処分をしましょう。
 

外国人住居者によくある、ごみに関わるご近所トラブルの例

外国人住居者とご近所の間で起こるトラブルとして、よくある事例を紹介します。

 

粗大ごみにかかわるトラブル

粗大ごみ置き場に置いてあるごみを勝手に持ち帰ってしまい、トラブルになるケースがよくあります。粗大ごみを無断で持ち去る行為は、日本では違法行為になります。ごみ置き場にある物は、自治体の所有物となるためです。粗大ごみのシールが貼られている家電や家具、自転車やパソコンなどを「まだ使えそうだから」と無断で持ち去るのはやめましょう。

 

生ごみから出る悪臭に関するトラブル

生ごみの強い臭いに関わるトラブルもよくあります。よくあるのは次のようなパターンです。
 

・生ごみを出す曜日を間違えたため、生ごみがそのまま何日も放置され、カラスや野良猫に荒らされてしまった。

・生ごみ専用のボックスがあるごみ捨て場にもかかわらず、ボックスに入れずに捨ててしまった。

・共有の廊下や玄関前、ベランダに生ごみを放置した。
 

生ごみは臭いが出やすいごみです。ルールとマナーを守って処分をしましょう。


 

生ごみの臭いを防ぐために:生ごみを出し忘れたときの対処法

嫌な臭いが発生しやすい生ごみですが、特に日本の夏は気温も湿度も高くなるのでより悪臭が発生しやすくなり注意が必要です。
ここでは生ごみの嫌な臭いを軽減するポイントを紹介します。

 

ポイント1)水気をよく切ってから捨てる

まず、生ごみの水気をよく切ることが大切です。水分を多く含んでいると細菌が増え、それが嫌な臭いの原因になります。100円ショップやスーパー等で売っている水きりネットなどを活用しましょう。

 

ポイント2)生ごみをシンクにためずに、蓋つきのごみ箱にこまめに捨てる
生ごみをそのまま放置しておくことで、生ごみが細菌の栄養源になり悪臭が発生してしまいます。生ごみはそのまま水道に流したり、三角コーナーにためたりせずに、こまめにごみ箱に移すようにしましょう。

 

ポイント3)重曹を使う

特に臭いが発生しやすい夏は、重曹や新聞紙を使う方法をおすすめします。

一番簡単な方法は、ポリ袋に入れた生ごみの上に重曹を大さじ1(15グラム)ぐらいを振りかけるだけです。アルカリ性の重曹が、嫌な臭いを軽減してくれます。重曹はドラッグストアやスーパー、100円ショップなどで手軽に手に入ります。

それでも臭いが気になる場合には、新聞紙の上に生ごみを置いてから重曹をかけます。新聞紙を小さく折りたたんでから、ポリ袋に入れると臭いが発生するのを防ぐことができます。

また、魚介類の内臓などの生ごみは、特に強い臭いを放ちます。生ごみの回収日まで日が空く場合は、生ごみをポリ袋に入れて袋ごと凍らせて、次の回収日まで保存することをおすすめします。

 

まとめ

日本で暮らす上で知っておくべき「ごみの捨て方」や「分別のルールやマナー」を解説しました。
トラブルが起きたときに「以前住んでいたところでは違った」「生活習慣が違うから知らなかった」では済まされません。わからないことがあるときは自治体のホームページで確認したり、不動産屋さんや役所、ご近所の方に聞いてみたりするとよいでしょう。ご近所トラブルを起こさないためには、地域のルールをしっかりと守ることが大切です。