日本在住の外国人が妊娠した時の対応を解説。出産前・出産後の流れ

日本在住の外国人が妊娠した場合、異国の地での出産はもちろん、母国との対応の違いなどに不安を持つ方も多いでしょう。日本では、妊娠から出産までの流れが他国と違うところもあるため、早めに把握しておくと安心です。本記事では、在留外国人が日本で妊娠した際の病院の受診から書類の手続きといった出産までの流れと、出産後の手続きについて解説します。

病院へ行く

 

「妊娠したかも?」と思ったら、まず最寄りの産科を受診し確認しましょう。

 

妊娠の兆候が見えたら病院へ

妊娠の兆候が見えたら、病院の産科を受診し、診断を受ける必要があります。病院によっては通訳を頼める場合があるため、日本語でのやり取りに不安がある方は、あらかじめ確認しておきましょう。

 

妊娠が分かれば産む病院を見つける

病院を受診し妊娠が分かったら、出産する病院を見つけましょう。通常、日本では病院の産科で出産をします。早い段階で分娩の予約をしないと、すぐに予約でいっぱいになってしまうことがあるため、妊娠が分かったらなるべく早めに出産する病院を予約しておくと安心です。

 

手続き

 

妊娠がわかったら、役所に足を運び3つの手続きを済ませましょう。

 

役所へ妊娠届けを出す

住んでいる市町村の役所に行き、まずは妊娠届を提出します。役所の窓口で妊娠届の用紙をもらい必要事項を記入しましょう。自治体によっては、多言語のナビゲーションサービスを提供している場合があるので、日本語でのコミュニケーションに不安のある方は、事前に確認しておくと安心です。

 

妊娠届を提出すると、保健師との面談があります。出産する病院や家族のこと、出産にあたり不安に思っていることや困っていることも相談できます。

 

母子手帳を受け取る

病院で妊娠を確認すると、すぐに母子手帳をもらってくるように言われます。母子手帳の正式名称は『母子健康手帳』で、母子と赤ちゃんの健康と成長を記録するためのものを指します。日本では、役所に妊娠届を提出した際に、その場で母子手帳が交付される仕組みとなっています。母国には母子手帳がない場合もあるため、日本ならではのシステムとして理解しておくと良いでしょう。

 

母親母子手帳は、外国語バージョンを用意している役所も多いです。自身が理解できる言語の母子手帳があるか、窓口で聞いてみることをおすすめします。母子手帳の最後のほうのページには、病院で使える日本語の用語集などもまとめてあり、非常に便利です。

 

母子手帳をもらうと、妊婦健診の補助券ももらえるため、病院で検診を受ける際は母子手帳と合わせて持参しましょう。補助券の金額は自治体によって異なります。妊婦健診は定期的に行われるため、毎回必ず受診することが大切です。妊婦健診では、栄養や体重管理などの指導があります。母国のやり方と異なる場合もありますが、よく医師のアドバイスを聞くようにしましょう。

 

出産一時金の手続きをする

日本で出産をする場合は、平均で50万円の費用がかかります。健康保険に入っていれば、費用の一部が出産一時金からカバーされるため、出産前に病院で手続きをしましょう。

 

出産まで

 

母親(両親)学級に参加する

病院や役所では、妊婦やそのパートナーを対象に、母親(両親)学級というものが行われます。

 

母親学級には、主に妊娠22〜35週の妊婦が参加し、妊娠中の体調や食事の管理、分娩の流れや心構え、赤ちゃんのお世話の仕方などを学びます。妊娠経過に合わせてプログラムが組まれることが多いため、段階を経て出産や育児に必要な知識を身につけられるのがポイントです。費用は無料のところから有料のところまで、開催場所によって異なるため、申し込みをする際に確認しましょう。

 

両親学級では、パートナーも一緒に参加できます。妊婦の心と体のケアや出産後の育児サポートなどに関して理解を深められ、パートナーもより積極的に育児に取り組めるようになります。

 

初めての出産の場合は、母親(両親)学級に参加しておくと、より安心して出産や育児に臨めるでしょう。

 

入院して出産する

日本で出産する際は、病院に約5日間入院します。入院に必要なものは事前に病院からリストが配布されるため、しっかり確認し用意しておきましょう。産気づいたときに病院へ向かう交通手段も、早めの段階で考えておくといざというときに焦らずに済み安心です。

 

出産後の手続き

 

無事に出産したら、赤ちゃんに関するさまざまな手続きが必要です。外国人が日本で出産した場合に必要な、出産後の手続きについて紹介します。

 

出生届を出す

出産したら14日以内に役所で出生届を提出する必要があります。パートナーに手続きを代行してもらうことも可能です。提出したら、必ず出生届受理証明書をもらっておきましょう。

 

出生届の提出と同時に役所できる手続きは、主に以下の4つです。

  1. 小児医療費助成の申請:赤ちゃんの病院受診費用が完全無料または一部負担になります。(規定は自治体により異なる)
  1. 赤ちゃんの保険証の申し込み(国民健康保険に加入している場合)
  2. 児童手当と出生連絡票の手続き
  3. 出生届受理証明書と赤ちゃんを含めた住民票(入国管理局での手続きに必要)

 

何度も役所を訪ねるのは大変なので、なるべく一度の訪問で必要な手続きを全てすませるように工夫すると良いでしょう。

 

大使館へ申請

役所の次に向かうのが、赤ちゃんの国籍国となる在日大使館と入国管理局です。大使館では、出生届の提出とパスポートの発行を申請します。入国管理局では、赤ちゃんが生まれてから30日以内に、赤ちゃんの在留資格の申請を行いましょう。それぞれの手続きには締め切りがあるため、注意が必要です。

 

健診や新生児訪問、予防接種

出産した後は母子の健康を確認するために、病院や自宅、役所など、さまざまなところで定期的に検診を実施しています。その都度スケジュールを確認し、必ず検診を受けるようにしましょう。

 

出産して1か月が経つと、出産した病院で赤ちゃんの1か月検診があります。赤ちゃんの発育や健康、母体の回復を確認する検診です。自宅を役所の保健師や助産師が訪問し、赤ちゃんの健康やお母さん本人の体調、そのほか育児で困っていることなどを相談できます。

 

生後2か月頃になると、かかりつけの小児科医のもとで、予防接種を受け始めます。役所から送付される予診表に記載のワクチンは、無料で受けることが可能です。指定のスケジュールに沿って、忘れずに予防接種を受けるようにしましょう。指定の期間を過ぎると、費用は自己負担となるため注意が必要です。

 

役所からは乳幼児健診の案内もあるため、必ず受診しましょう。乳幼児健診は、病院または役所で受けられるため、あらかじめ場所を確認しておくことが大切です。検診では、赤ちゃんの健康面のチェックはもちろん、育児で困っていることも相談できます。

 

まとめ

 

日本在住の外国人が妊娠した際の、出産前から出産後までに必要な手続きやその流れを紹介しました。慣れない環境のなかで出産をするのは不安が大きいかもしれませんが、事前に流れを把握しておくことでより安心して臨めます。万全の準備で、日本での出産を乗り越えましょう。